企画展 「パラ-ダイス写真展」

日時:2026年4月6日(月)〜6月29日(月)

場所:アウシュヴィッツ平和博物館 企画展示室

ラ-ダイス (Para-Dies) へようこそ

今回の作品集パラ-ダイスは福島県浪江町にある「希望の牧場」とその周辺で撮影したものです。

ご存知のように浪江は福島第一原発から14キロ、放射能による被害が非常に大きかった場所として知られています。この牧場には、今も約170頭余りの牛たちが飼育されています。牛たちは大量の放射能を浴びて国から殺処分命令を受けました。しかし、牧場経営主の吉沢正巳さんは命令を拒否し、今日まで牛たちと共にそこで生活しています。

牛たちは、人間の犯した過ちをその身で受けとめ生き続けています。人間によって「殺されることを免れ、死ぬことができず、死ぬことができないために生き続け、苦痛を全身に刻み込んでいる」のです。従って原発事故の最も「鮮明な証言者」が、まさにこの牛たちではないかと私は考えています。

私はこれまで、写真家としてこの牛たちの間に入り、彼らの仕草や何気ない優しさを感じながら撮影してきました。牛たちは私に怒りの表情も苦痛の表情も向けませんでした。ただ、与えられた運命を全身で受け入れ、世の中に向けて自分たちの証言を黙々と果たしているだけでした。私は一人の人間として、非常に辛い気持ちで牛たちと向き合い、彼らが「私/人間」に「どんな話をしたいのだろうか?」という思いを抱きながら、長い時間を牛とともに過ごしました。

牛とともに展示した木の写真は、牧場近くの裏山で撮影したものです。この葛のような蔓は、かなり古くから自生していたようで、絡み合ったり、他の木に寄生したりしています。蔓は他者に依存して生きている点で、希望の牧場の牛たちと同じだと感じました。牛の写真とこの蔓を一緒に展示する理由です。私 鄭周河とともに、かれらの表象と心の内なる世界を訪ねてみませんか。   鄭周河


鄭周河 チョン・ジュハ
1958年生まれ
ドイツケルン芸術大学卒
百済芸術大教授(定年)退職
「奪われた野にも春は来るか」写真展記録集
「パラダイス」(2025)写真集 国内外で写真展開催
NHK「心の時代」出演 2012 3/8
韓国全北州在住 写真家 農業に従事

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