小渕館長のつれづれ

非暴力平和隊

 国際非政府組織(NGO)「非暴力平和隊」(NP)をご存知ですか?NPは、1999年の「ハーグ平和アピール」で提案され、非暴力による紛争解決、平和実現のために活動する団体として2002年12月、インドで正式に発足しました。訓練された中立の市民隊員が紛争に介入して、軍事力を用いず平和的に解決することを目指しています。

 賛同者には、リゴベルタ・メンチュ(グアテマラ先住民人権活動家)やダライ・ラマ14世(チベット仏教最高指導者)はじめ7名のノーベル平和賞受賞者らがいます。現在日本では、非暴力平和隊・日本(NPJ)のほか、ピースボート、日本山妙法寺の3団体がメンバーとなっています。

 「訓練されている」といっても、どうやって丸腰の市民隊員が軍事紛争を解決に導くのでしょうか?非暴力平和隊では、数十年にわたる経験と手段の蓄積に学び、さらに綿密な研究に裏付けられた方法を採用しています。その代表的なものには、「護衛的同行」「国際的プレゼンス」「情報発信」「割り込み」があります。

 日本にもNPをサポートするNPJがあります。NPJの目的は、隊員の募集および訓練を行うことと非暴力の思想および運動を普及し、人権の擁護および平和の推進に寄与することです。03年から、日本女性一人を含む11人のフィールドワーカーが、スリランカで活動しています。この女性がNPJ退員で、隊としても初の活動参加です。

 NPの紹介をしましたが、私自身は紛争地に行って活動しようとは思ったことがありません。なぜなら怖いからです。でも、非暴力行動はできます。例えば、抗議や支援の手紙・はがきを書く、署名活動、ストライキ、ビラやパンフレットの配付、抗議声明や支援の集会を開く、TVや新聞を通じて抗議の思想をあらわす等、さまざまな方法があると思います。

 どんな小さなことでも、できるところから始める。みんなで行動することで大きなパワーになっていくと信じています。戦争をはじめ暴力のない社会を目指して!

平成19年4月3日 河北新報に掲載「微風・旋風」
アウシュヴィッツ平和博物館長 小渕真理